にんじんを調理しようと切ったときに、内部に空洞や穴が見つかることがあります。この現象は「す(鬆)」と呼ばれ、にんじんだけに限らず大根やカブ、ごぼうなどの根菜類でも見られます。すが入ることで見た目は悪くなりますが、基本的に腐っているわけではありません。
すが入る原因は?
すには主に以下の2つの要因が挙げられます。
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 収穫の遅れ | 収穫時期を過ぎてしまうと、にんじんの内部に空洞ができやすくなります。特に自宅の家庭菜園などで時期を逃した場合に発生しやすい現象です。スーパーで購入するにんじんではあまり発生しません。 |
| 長期間保存による水分不足 | にんじんを購入後、長期間冷蔵保存すると、内部の水分が失われ穴が開くことがあります。特に葉付きのにんじんは、葉が水分や栄養分を吸収してしまい、すが入りやすくなるため注意が必要です。 |
穴が開いたにんじんは食べても大丈夫?
結論から言うと、すが入ったにんじんは食べても安全です。腐敗やカビなどの食中毒に繋がるものではありません。ただし、水分が抜けているため食感や風味は劣ります。みずみずしさが失われたため、鮮度としては落ちていることを理解しておきましょう。
食べる際の注意点
穴があったとしても、異臭や変色、ネバつきがなければ問題なく食べられます。逆にこれらの症状がある場合は腐敗の可能性があるため食べないようにしましょう。すが入ったにんじんは見た目が悪いため、生でそのまま食べるのは避け、生の食感を楽しむサラダなどには向いていません。
すの入ったにんじんをおいしく食べる方法
すが目立つにんじんは、水分と食感が減っているため、そのままでは味気なく感じてしまいます。しかし調理の工夫で問題なく美味しくいただけます。
おすすめの調理法
- 細かく刻んでスープやカレーに:煮込むことで柔らかさが増し、スカスカの部分も気になりません。カレー、シチュー、味付けの濃い料理に適しています。
- すりおろして使う:すりおろすことで食感の悪さが改善され、料理にうまく溶け込みます。ドレッシングやお好み焼きの生地に混ぜるのもおすすめです。
- ハンバーグなどの混ぜ込み料理:栄養分は残っているため、細かく刻んで肉料理に加えれば彩りや栄養強化にも役立ちます。
これらの調理方法を活用すれば、すが入ったにんじんも無駄なく、美味しく食べることが可能です。
にんじんをおいしく長持ちさせる保存方法
にんじんは使い勝手の良い野菜ですが、長期間保存するとすが入る原因になるため、正しい方法で保存することが大切です。
冷蔵保存の基本ポイント
- 買った時の袋のまま冷蔵保存は避ける
- にんじんは水気をよく拭き取り、1本ずつペーパータオルや新聞紙で包む
- 包んだにんじんをポリ袋に入れて立てて保存
- ペーパータオルは湿るため3〜4日に一度交換することを推奨
こうすることで、にんじんの水分蒸発を防ぎ、約1ヶ月程度の保存が可能になります。
冷凍保存のポイント
料理に使い切れない分は冷凍保存が便利です。ただしそのまま大きく切ると解凍後に食感が落ちるため、薄切りや千切りにして凍らせるのがおすすめです。解凍せずそのまま調理に使うことで、食感の劣化も抑えられます。冷凍保存の期間は約1ヶ月が目安です。
まとめ:にんじんの穴は「す」で安全、調理法と保存法でおいしく楽しもう
にんじんの穴、「す」は見た目こそ悪いものの、食べても健康上問題ありません。原因は主に収穫後の時間や保存中の水分減少に起因しています。食感や味が落ちているため、そのまま生で食べるのは不向きですが、スープやカレー、すりおろしなどの工夫で十分おいしくいただけます。
また、正しい保存方法を心がけることで、すの発生を予防し、にんじんの鮮度を長く保つことができます。日々の食生活に上手に取り入れて、栄養豊富なにんじんをおいしく楽しみましょう。









