化粧品売り場で商品を手に取ると、「化粧品」と「薬用化粧品（医薬部外品）」という表示を目にすることがあるかと思います。
見た目も使い方も似ているため、一見その違いはわかりにくいかもしれません。しかし、その違いを理解することで、自分の肌にぴったりの製品を見つけることができるでしょう。
本記事では、化粧品と薬用化粧品の違いを紐解き、どちらがあなたに合っているのかを考えてみましょう。
化粧品と薬用化粧品（医薬部外品）の基本的な違い
化粧品と薬用化粧品は、どちらも日常的に使うものであるため、区別が難しいことが多いです。しかし、その違いを理解することで、より効果的にスキンケアや美容を行うことができます。
薬機法による定義
化粧品と薬用化粧品（医薬部外品）は、日本の薬機法（医薬品医療機器等法）によって定義されています。この法律は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器に関する細かい取り決めを行っています。
医薬品
治療や予防に効果があり、医療機関による処方箋が必要なものや、ドラッグストアで処方箋なしで購入することができる薬品のことです。
医薬部外品
有効成分が配合されており、予防効果が期待でき、作用が緩和な商品です。薬用化粧品はこのカテゴリーに入ります。
化粧品
人の美容のためのもので、作用が緩和な商品です。
具体的な違い、それぞれのメリットは？
化粧品と薬用化粧品（医薬部外品）の違いをさらに詳しく見ていきましょう。
使用目的
化粧品は「健康な状態の維持」を目的としています。一方、薬用化粧品（医薬部外品）は「防止・予防」を目的としており、例えば「肌荒れ・にきびを防ぐ」「美白」「デオドラント」などの効果が期待できます。
有効成分
化粧品には有効成分が配合されていませんが、薬用化粧品には有効成分が規定内の濃度で配合されています。これにより、特定の効果が期待できるのです。
表現できる効果・効能
化粧品は「56の効能範囲」に限定された緩和な効能のみを表現できます。一方で、薬用化粧品は有効成分ごとに認められた薬効を表現することができ、さらに56の効能も表記できます。
薬事申請・成分表示について
化粧品と薬用化粧品の違いは、販売時の手続きにも現れます。
薬事申請
化粧品を販売する際には、販売名の届け出だけが必要です。しかし、薬用化粧品（医薬部外品）は、販売名や処方、効果・効能、用法・用量などについて商品ごとに厚生労働省から承認を受けなければなりません。
成分表示
化粧品は全成分表示が法律で義務付けられています。一方、薬用化粧品（医薬部外品）も全成分表示が推奨されていますが、各製造販売元の判断に委ねられています。
配合できる成分について
化粧品と薬用化粧品（医薬部外品）では、配合できる成分にも違いがあります。
化粧品
化粧品は化粧品基準を守っていれば、基本的にどんな成分でも組み合わせることができます。そのため、100％オリジナルの配合で独自の化粧品を作ることが可能です。
薬用化粧品（医薬部外品）
薬用化粧品（医薬部外品）の処方は、「過去に実績のある成分同士」で配合されることが多いです。新しい成分や組み合わせを採用する場合、承認を得るのに高いハードルがあるため、コストと時間がかかります。
自分に合った製品を選ぶためのポイント
化粧品と薬用化粧品（医薬部外品）を選ぶ際には、自分の肌の状態や目的に応じて選ぶことが大切です。以下のポイントを参考にしてみてください。
肌の悩みに応じた選択
肌荒れやニキビ、美白など特定の肌トラブルが気になる場合は、薬用化粧品（医薬部外品）を選びましょう。有効成分が配合されているため、特定のトラブルに効果が期待できます。化粧品は、健康な肌の状態を維持するためのものなので、特定のトラブルがない場合や日常的なスキンケアとして使用するのに適しています。
成分表示をチェック
敏感肌やアレルギーを持っている場合は、成分表示をしっかりと確認することが重要です。化粧品は全成分表示が義務付けられているため、成分を細かくチェックできます。薬用化粧品（医薬部外品）も多くの場合、全成分表示がされていますが、念のため確認することをおすすめします。
効果を重視するか、使用感を重視するか
化粧品と薬用化粧品（医薬部外品）はそれぞれ異なるメリットがありますので、自分の求める効果や使用感に応じて選びましょう。
効果を重視する場合
特定の効果を重視する場合は、薬用化粧品（医薬部外品）を選ぶと良いでしょう。有効成分が配合されているため、ニキビ予防や美白などの効果が期待できます。
使用感を重視する場合
日常的に使うスキンケア製品として、使用感を重視する場合は、化粧品が適しています。化粧品は成分の組み合わせが自由であり、使用感や香りにこだわった製品が多くあります。
信頼性と安全性を重視する選び方
化粧品と薬用化粧品（医薬部外品）はどちらも信頼性と安全性が重要です。以下のポイントを確認して選びましょう。
メーカーの信頼性
製品を選ぶ際には、信頼できるメーカーやブランドを選ぶことが大切です。製造販売元の品質や安全性に対する取り組みを確認しましょう。
使用前のテスト
新しい製品を使用する前には、パッチテストを行うことをおすすめします。少量を腕の内側などに塗って、肌に異常がないか確認しましょう。
まとめ
化粧品と薬用化粧品（医薬部外品）の違いを理解することで、自分の肌に合った製品を選ぶことができます。化粧品は健康な肌の状態を維持するためのものであり、薬用化粧品（医薬部外品）は特定のトラブルに対する効果が期待できる製品です。
成分表示を確認し、自分の肌の悩みや使用感の好みに応じて選ぶことが大切です。
いずれの場合も、信頼できるメーカーの製品を選び、使用前にはパッチテストを行うことで、安全にスキンケアを楽しむことができます。
