ダイエットをしている人の間で根強い人気のある食材のひとつに「おから」があります。おからは低カロリーながら食物繊維が豊富で、満腹感を得やすいことから、健康的な減量を目指す方の食生活に取り入れやすい食品です。しかし、ただおからを多く食べればよいというわけではありません。実はおからには知っておくべき注意点や落とし穴が存在します。本記事では、おからの栄養的な特徴とダイエット中における活用時の注意点を詳しくご紹介します。
おからの基本的な特徴と栄養価
おからは豆腐を製造する際にできる豆乳の搾りかすで、古くから日本の家庭料理に用いられてきました。代表的な料理では「卯の花」として親しまれています。低カロリーでありながら、豊富に含まれる食物繊維が腸内環境を整え、便通改善に役立つため、健康志向の方に好まれています。
| 成分 | 100gあたりの含有量(生おから) |
|---|---|
| エネルギー | 約88kcal |
| 糖質(単糖当量) | 約0.6g |
| たんぱく質 | 約6.1g |
| 食物繊維(総量) | 約11.5g |
| 内訳:水溶性食物繊維 | 約0.4g |
| 内訳:不溶性食物繊維 | 約11.1g |
このようにおからは糖質が非常に低く、たんぱく質も適度に含まれていますが、特に食物繊維が非常に豊富なのが特徴です。中でも不溶性食物繊維が多く、これは便のかさを増して排便を促す作用があるため、便秘がちな方にとっては朗報とも言えます。
ダイエット中におからを食べる際の3つの注意点
1. 食物繊維の摂り過ぎには注意
おからの魅力は豊富な食物繊維にありますが、摂取量が過剰になると逆に便秘や下痢を引き起こす恐れがあります。不溶性食物繊維が多いため過剰摂取で腸内の水分バランスが乱れやすく、腸の働きが鈍くなることも。また、過剰な食物繊維はミネラル類の吸収を阻害し、体調不良を招く可能性もあります。
一般的な成人が1日に必要とする食物繊維の目安は約20~25gです。おからを取り入れるときは、他の食材からの摂取も考慮して絶対量を調整しましょう。
2. 調理時の塩分・糖分の摂り過ぎに注意
おから自体にはほとんど味が無いため、調味料で味付けすることがほとんどです。ここでつい醤油や砂糖、みりんを多量に使うと、塩分や糖分が一気に増えてしまいます。特に塩分過多はむくみや高血圧の原因となり、ダイエット効果の妨げになることもあります。
対策としては、だしやスパイス、減塩醤油や天然調味料の活用をおすすめします。味付けを控えめにし、素材の旨味を引き出す工夫を心がけてください。また、おからパウダーを味噌汁にちょい足しすると濃い味付けになりにくく手軽です。
3. 食事全体のバランスを考慮する
おからは食物繊維と低糖質が魅力ですが、メインの栄養素である主食の代わりとして用いるのは避けましょう。極端な置き換えはエネルギーや栄養素の偏りを招き、リバウンドや体調不良のリスクとなります。
タンパク質、脂質、炭水化物のバランスを意識しながら、おからはあくまで副菜や料理のかさ増し、食物繊維補給として取り入れるのが賢明です。たとえば、ハンバーグやコロッケ、餃子のつなぎやかさ増しに少量使う方法はおすすめですが、量が多すぎるとパサつきが出やすいため注意が必要です。
おからの上手な活用法とおすすめレシピ
おからは使い方次第で日々の食生活に取り入れやすい食材です。とくにおからパウダーは保存がしやすく、使い勝手が良いため重宝されます。以下におすすめの活用例をいくつかご紹介します。
■ おからパウダーの活用
- みそ汁やスープに少量加えて食物繊維をプラス
- ヨーグルトやスムージーに混ぜて一緒に摂取
- パンやお菓子作りの小麦粉の一部置き換え
■ 生おからを使ったおすすめ料理
- ハンバーグのつなぎとして加え、満腹感アップ
- コロッケや餃子の具に混ぜてボリュームアップ
- おからの卯の花炒り煮に野菜やさつまいもをプラスして栄養バランス良く
おから料理はパサつきやすいこともあるため、油や調味料の使い過ぎには注意しつつ、水分を適度に含ませる工夫が必要です。慣れるまでは少量ずつ加えて、食感や味のバランスを調整しましょう。
まとめ:ダイエットに効果的なおからの賢い食べ方
おからは食物繊維豊富で低カロリー、低糖質という点から、ダイエット向きの優れた食材です。しかしながら、次の3つのポイントを守ることが重要です。
- 食物繊維の過剰摂取を避け、腸内環境を良好に保つ
- 調理時の塩分・糖分を控えめにし、むくみや体調不良を防ぐ
- 主食など他の栄養素とのバランスを意識して食生活全体を整える
これらを踏まえたうえで、おからパウダーを活用したり、適量を料理に混ぜ込んだりすることで、無理なく日常の食事に取り込むことができます。体調と相談しながら、賢くおからを取り入れて健康的なダイエットを目指しましょう。









